この記事でわかること
- メンタルヘルス・マネジメント検定II種(ラインケア)の試験概要と難易度
- 約1ヶ月・78点合格を達成した実際の学習スケジュールと使ったテキスト
- 管理職・チームリーダーが受けると何が変わるか(仕事への活かし方)
- 産業カウンセラー修了後に受験した体験から感じた「学習の相乗効果」
はじめに
「メンタルヘルス・マネジメント検定」という資格をご存知でしょうか。
大阪商工会議所が主催する、職場でのメンタルヘルス対策に関する知識を問う検定試験です。I種(マスターコース)、II種(ラインケアコース)、III種(セルフケアコース)の3段階があり、それぞれ対象者や出題内容が異なります。
私が受験したのはII種(ラインケアコース)。受験日は2022年11月6日で、勉強期間は約1か月。結果は100点満点中78点で、無事に合格することができました。
この記事では、受験のきっかけから学習方法、試験結果の内訳まで、体験を振り返りながらお伝えします。
受験のきっかけ
人事総務部への異動
2022年4月、前職のIT系SIer企業で人事異動がありました。それまでいた情報管理室から、人事総務部への異動です。
情報管理室では上長によるマイクロマネジメントに苦しさを感じていました。細かい管理、確認の多さ、自分で判断する余地の少なさ——毎日がじわじわと消耗するような日々でした。
もともと総務系の仕事に興味があったこともあり、人事担当者と相談を重ねた末に、この異動が実現しました。
未経験分野への挑戦
それまでのキャリアはシステムエンジニアとして技術に関わる業務が中心でした。総務・人事の実務は完全に未経験の領域です。
何か武器が欲しい——そう思ったとき、総務系の業務に役立つ資格を取得することを考えました。その選択肢のひとつとして浮かんだのが、メンタルヘルス・マネジメント検定でした。
過去のメンタル疾患経験
もうひとつ、受験を後押しした理由があります。
私自身、過去にメンタル疾患を患った経験があります。そのときの自分は、メンタルヘルスについてほとんど何も知りませんでした。なぜそうなったのか、どう対処すればよいのか、まったく手探りの状態でした。
だからこそ、メンタルヘルスのメカニズムや対処法を体系的に学びたいという気持ちがありました。資格取得という目標を通じて、きちんと学び直したかったのです。
社内の資格取得報奨金制度
実際的な理由も加わりました。この検定は社内の資格取得報奨金制度の対象になっていました。
合格すれば会社から報奨金が支給される。それも受験の背中を押してくれた要素のひとつです。
なぜIII種ではなくII種か
メンタルヘルス・マネジメント検定には3段階ありますが、III種(セルフケアコース)は主に一般従業員向けの内容です。
当時の自分は社会人として数年のキャリアを積んでおり、チームをまとめる立場にも関わることがありました。III種よりも、管理監督者向けの知識を体系的に学べるII種(ラインケアコース)を選ぶのが自然な選択だと考えました。
II種(ラインケアコース)とは
II種は「管理監督者が、部下のメンタルヘルスを守るために必要な知識と対応力を習得する」ことを目的としたコースです。
「ラインケア」とは、職場の管理監督者(上司)が部下の変化に気づき、適切に対応することを指します。専門家への橋渡し役を担う管理職のための内容です。
試験は100点満点で、合格基準は70点以上です。
出題分野と配点
II種の試験は7つの大問で構成されています。各問の配点と出題テーマは以下のとおりです。
| 大問 | 配点 | 出題分野(公式テキストの章) |
|---|---|---|
| 第1問 | 24点 | メンタルヘルスケアの意義と管理監督者の役割 |
| 第2問 | 8点 | ストレスおよびメンタルヘルスに関する基礎知識 |
| 第3問 | 8点 | 職場環境等の評価および改善の方法 |
| 第4問 | 22点 | 個々の労働者への配慮 |
| 第5問 | 16点 | 労働者からの相談への対応(話の聴き方、情報提供および助言の方法等) |
| 第6問 | 12点 | 社内外資源との連携 |
| 第7問 | 10点 | 心の健康問題をもつ復職者への支援の方法 |
第1問と第4問の配点が高く、全体の46点を占めます。この2問をしっかり押さえることが合格への近道です。
勉強方法
勉強期間は約1か月。使用した書籍は1冊のみです。
「安全衛生教科書 メンタルヘルス・マネジメント検定II種・III種 テキスト&問題集 第3版」(翔泳社)
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安全衛生教科書 メンタルヘルス・マネジメント(R)検定II種・III種 テキスト&問題集 第3版
この1冊にII種とIII種の両方の内容がまとまっており、テキストと問題集が一体になっているため、インプットとアウトプットを繰り返しながら学習を進めることができます。
学習の進め方としては、テキストを一通り読んでから問題集を解き、間違えた箇所をテキストに戻って確認するというサイクルを繰り返しました。赤シートで重要語句を隠しながら暗記できる仕様も、効率的な学習に役立ちました。
試験の直前は、過去問や問題集で出題傾向を把握することに集中しました。特に第1問の統計・数値データ(自殺者数、うつ病の有病率など)は厚生労働省のデータが出題されることがあるため、公式HPで最新情報を確認しておくと安心です。
試験結果
得点内訳
| 大問 | 得点 / 満点 |
|---|---|
| 第1問 | 16 / 24 |
| 第2問 | 4 / 8 |
| 第3問 | 8 / 8 |
| 第4問 | 14 / 22 |
| 第5問 | 16 / 16 |
| 第6問 | 10 / 12 |
| 第7問 | 10 / 10 |
| 合計 | 78 / 100 |
合格基準の70点を上回り、合格することができました。
第3問・第5問・第7問は満点または満点に近いスコアで、しっかり得点できた手応えがありました。一方で第1問と第4問は配点が高い分、落とした点数の影響も大きかったです。
試験を受けての所感
第1問の反省
最も配点が高い第1問(24点)で16点という結果は、振り返ると反省が残ります。
この問は、メンタルヘルスに関する統計データや法的背景が問われる設問が多く含まれています。特にコロナ禍以降の精神疾患関連の数値(休職者数の推移、自殺者数など)は毎年変動するため、試験前に厚生労働省のHPで最新データを確認しておくべきでした。
テキストの内容だけでなく、試験時点での最新情報を補足しておくことが、この問の対策として有効だと思います。
体系的に学べたことの価値
一方で、試験勉強を通じて得たものは非常に大きかったと感じています。
メンタルヘルス不調がどのように起きるのか、そのメカニズムを体系的に理解できたことは、自分の過去の経験を整理する上でも助けになりました。「あのときの自分はこういう状態だったんだ」と、言語化できるようになった感覚があります。
また、管理監督者として部下のサインにどう気づき、どう対応するかという「ラインケア」の考え方は、その後の職場での関わりにも活きています。相談を受けたときの聴き方、社内外の資源(産業医・EAP機関など)への繋ぎ方など、実務で直接使える知識が身につきました。
産業カウンセラーの学びとの相乗効果
後に受講した産業カウンセラー養成講座の内容と、このメンタルヘルス・マネジメント検定の学びは多くの部分で重なっています。
メンタルヘルスの基礎知識、ストレスのメカニズム、傾聴の姿勢——これらを別々の視点から学ぶことで、理解がより深まったと感じています。どちらか一方だけでなく、複数の学びを組み合わせることで、人の心に向き合う力は確実に厚みを増していきます。
投稿者の所感
この資格を取得したのは2022年のことですが、今でも取っておいてよかったと思っています。
総務人事の業務に就くにあたって、体系的な知識を持って臨めたこと。自分自身のメンタルヘルスを客観的に理解できるようになったこと。そして、周囲の人のサインに気づく感度が上がったこと。
資格取得は、単なるスペックの追加ではありません。学ぶプロセスそのものが、自分の見方や関わり方を変えてくれます。
メンタルヘルスに関心がある方、管理職として部下との関わり方を学びたい方、あるいは自分自身の過去のメンタル不調を整理したい方にも、この検定の学習はきっと役に立つと思います。